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HEnDA全国大会(12/25, 26)

  • 執筆者の写真: Nushi
    Nushi
  • 2020年1月27日
  • 読了時間: 8分

12月25日(水), 26日(木)の二日間、群馬県前橋市にある共愛学園前橋国際大学にて第14回全国高校生英語ディベート大会が開催されました。


各都道府県大会, ブロック大会を勝ち抜いた全国64チームが集い、予選6試合と決勝トーナメント2試合が行われました。筆者も大会招聘ジャッジ(3年連続3回目)として参加し、予選6試合全てジャッジを務めました。


全国大会に至るまでに、筆者自身がジャッジ参加した地方大会は以下の通りです。

・10/14(祝月) 第5回高校生英語ディベート東海ブロック大会(優勝校:翔凜)

・11/2(土) 愛知県大会(優勝校:東海)

・11/3(日) 岐阜県大会(優勝校:高山西)

・11/4(祝月) 和歌山県大会(優勝校:橋本)

・11/10(日) 三重県大会(優勝校:川越)


なお、和歌山県大会では大会審査委員長を務めさせていただきました。本来は岐阜聖徳の宮川先生が務める予定でしたが、昨年の大型台風の影響で11月開催に延期され、同日、宮川先生は福井県大会のジャッジに向かうとのことで私にバトンが回ったとのことです。

昨年までは栃木県大会や神奈川県大会にジャッジとして参加しておりましたが、栃木県大会は岐阜県大会と日程が重なり、また神奈川県大会も校務の都合で参加を断念しました。


全国大会当日、Round 3以降は例年通りパワーペアリングによる組み合わせです。なお、本大会では予選試合数が前年までの5試合から6試合に変更されました。そのため、64チーム全てがAffirmative3回, Negative3回ずつ試合を行います。予選試合数が増加したことに伴い、決勝トーナメント進出チーム数は8チームから4チームに縮小され、準決勝・決勝の2試合に減りました。


1日目に予選4試合, 2日目に予選2試合と決勝トーナメント2試合です。例年同様の大会進行で行われる予定でしたが、予選6試合化の影響で、Round 6の組み合わせが矢野先生(大会審査委員長)の使用するタブレーションソフト(組み合わせを行うためのプログラム)できちんと反映されないトラブルがありました。そのため、ソフトプログラムの欠陥部分を修正及び正しい対戦表作成するために約30分ほど要し、結果、大会スケジュール進行にも多少の遅れが出てしまいました。矢野先生曰く、プログラム自体は完全に修正できたため、今後同じような問題は生じないとのことです。


そして、全国大会予選では以下の6試合をジャッジしました。


Round 1 メインジャッジ Aff尚絅(熊本) vs Neg長野(長野)→Neg Win

Round 2 サブジャッジ Aff高山西(岐阜) vs Neg橋本(和歌山)→Split

Round 3 メインジャッジ Aff宮崎西(宮崎) vs Neg土佐(高知)→Neg Win

Round 4 メインジャッジ Aff川越(三重) vs Neg帯広柏葉(北海道)→Neg Win

Round 5 メインジャッジ Aff上田(長野) vs Neg岩田(大分)→Aff Win

Round 6 サブジャッジ Aff高志(福井) vs Neg葺合(兵庫)→Aff Win


ジャッジをした学校の傾向としては西日本の学校が多かったです。筆者自身、これまで関東・東海地方を中心に活動してきたため、西日本地域のディベート文化や先生方との交流に疎いですが、普段通りのジャッジングやフィードバック等を行うことが出来ました。

なお、Round 6は対戦表上一番上に配置されていたことから、予選最終試合の中での頂上決戦のカードであったと思われます。そこにサブジャッジとして配置され、非常にレベルの高い試合を直接見させていただきました。


筆者自身、今回も各予選ラウンドごとの結果をスプレッドシートにまとめてはみましたが、残念ながら会場に誰でも利用可能なWi-Fiネットワークに接続することができず、また宿泊先のホテルでもWi-Fi接続を利用することができずオンライン上での結果更新を十分に行うことができませんでした…。リアルタイムの結果を楽しみされていた遠方の方々に申し訳ありません。また、予選結果が未記入な部分も未だ残っておりますので、大会自体は終了してしまいましたが、引き続き情報提供よろしくお願いします。


そして、予選結果は以下の通りとなりました。


1位 高志(福井)11 votes

2位 藤島(福井)11 votes

3位 宇都宮(栃木)10 votes

4位 東海(愛知)10 votes

5位 渋谷教育学園幕張(千葉)9 votes

6位 大宮(埼玉)9 votes

7位 葺合(兵庫)9 votes

8位 長野(長野)9 votes

9位 守山(滋賀)9 votes

10位 洛南(京都)9 votes


予選結果を見るからに、予選全勝で通過したチームはなく、5勝1分の11 votesが最高成績です。3位の宇都宮(栃木)はRound 2で高志(福井)に敗退したもののその後の試合は全て全勝し5勝1敗, 4位の東海(愛知)は2試合が引き分けでそれ以外は勝利しているため4勝2分で宇都宮と同じ10 votesでした。来年度も予選6試合である場合、決勝トーナメントに進むためには少なくとも10 votesは必要になってくるでしょう。予選5位から10位は9 votesで層が非常に厚いです。これまでは5位から8位も決勝トーナメントに駒を進めることが出来ましたが、今大会ではそれは叶わず、悔しい思いをしたに違いないでしょう。


そして、決勝トーナメント準決勝の結果は以下の通りです。


【準決勝戦】

Aff高志(福井) vs Neg東海(愛知)→4-1 Aff Win

Aff藤島(福井) vs Neg宇都宮(栃木)→2-3 Neg Win

【決勝戦】

Aff宇都宮(栃木) vs Neg高志(福井)→4-1 Aff Win


【優勝】宇都宮(栃木), 【準優勝】高志(福井), 【第3位】藤島(福井), 東海(愛知)

【個人賞】最優秀 宇都宮(栃木), 優秀 高志(福井), 渋谷教育学園幕張(千葉), 藤島(福井), 東海(愛知), 兄弟社(滋賀), 洛南(京都)


第14回大会は宇都宮が優勝しました。宇都宮の優勝は第7回大会(2012年)以来7年ぶり2度目の快挙です。筆者も当時高校1年生の時、先輩方が優勝したシーンを直接見ていました。それから7年経ち、今度は後輩たちが優勝を掴むのを見ることができて非常に嬉しく思っております。

一方、福井勢も2校も準優勝, 第3位と上位成績を収めました。昨年度の福井大会開催をきっかけに福井勢は県全体を上げてレベルアップしているように感じます。昨年度は藤島が予選1位, 決勝トーナメント準優勝と大きく貢献し、続けて今回は県内ライバルの高志とともに予選をワン・ツーフィニッシュです。

東海は前年度の福井大会にて初出場し予選順位は54位でした。昨年出場したメンバーが高校2年生となり、1年間で着実に力を伸ばして今大会第3位と大躍進を遂げました。夏には日本語ディベート甲子園にも出場して準優勝と好成績を残しており、日本語・英語ともに今年度一番の快挙であるとも言えます。


さて、今年度のHEnDA論題は「the Japanese government should limit the weekly maximum average working hours, including overtime, to 48 hours (following the E.U.).(日本国は,残業も含めた週あたりの最長平均労働時間を,(E.U.にならい)48時間に制限すべきである。是か非か。)」です。労働に関する論題は、第4回大会での「派遣労働の禁止」以来10年ぶりです。論題決定当初は多方面で論題として成り立つものなのか等批判や懸念がありましたが、夏以降は各校Aff, Negともにある程度の指針が定まり年度初めと比べて試合自体もきちんと成り立つようになってきたと感じます。しかし、労働者自身, 労働に関する議論の構築や説明が全国出場校であっても不十分さがあるなと感じる場面が多くありました。特に、「政府の労働者を救済する役割」と「労働者自身が労働する自由の保障」の対立部分が最後のSummary Speechで綺麗に説明できていたチームはあまりいなかったように振り返ります。予選順位下位層においても立論中に上記要素を含めて試合に臨もうとするチームはいくつかありましたが、結局最後までその議論を一貫して残すこと, 説明を遂げることは叶わず、惜しいなと感じました。その点、最後の決勝戦で聴いたAffirmative Summary Speechは非常によくまとめられていたと思います。

また、話を聞く限りですと決勝戦はRound 2と全くSideも同じで議論展開もほとんど同じだったそうです。にもかかわらず、その試合の結果はジャッジ二人ともNegに投票していることから、やはり聞き手の捉え方次第では結果が二分しやすい論題であったとも考えられます。


話は戻りますが、今大会では予選が6試合となり、参加全チームがAff, Negともに3回ずつ試合を行いました。試合着回数が多くなったことは非常に良いことです。しかし、それに伴って決勝トーナメント進出チーム数が8→4と半減してしまったのは非常に痛いです。予選5〜8位+9位として表彰は継続されましたが、それでも上位チームは他の模範となるような素晴らしい試合を繰り広げているため、昨年3月催されたHPDU連盟杯のような第2トーナメントを設けて試合機会を与えても良いのではないかとも、個人的には思いました。


全国大会の日程も検討の余地があります。今回は25日・26日と、例年よりも遅い日程での開催となりました。25日はクリスマスであります)、所帯を持っている顧問の先生方は家族サービスを返上しての大会参加です。労働問題が今回のトピックでもあるため、尚更です。来年度の滋賀大会も今回とほぼ同じ日程で開催を予定しているとのことです。会場確保の都合も要因の一つではありますが、先生の「働き方」改善のためにも、可能な限り遅くはならない日程での開催を今後願います。


これにて、今年度の「労働時間」論題のディベートは終了しました。全国・各地方大会に参加された高校生のみなさん, 顧問の先生方、本当にお疲れさまでした。一部の学校さんはこのあと2月に埼玉県で開催されるウィンターカップに向けて「動物園廃止」論題でのディベート準備に追われてきますが、来シーズン稼働までの間、どうぞゆっくりご静養ください。


また、今シーズンでディベーターを引退する高校2年生も多いと思われます。筆者個人の意見ではありますが、後輩へのディベート指導や技術ノウハウの引継ぎ等、漏れがないようにしてから引退、そして受験勉強への切り替えを行なってください。


高校英語ディベートに全力をかけた青春、それがあなたにとって、かけがえのない思い出になりますように。

 
 
 

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