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令和3年度4〜6月振り返りなど

  • 執筆者の写真: Nushi
    Nushi
  • 2021年8月12日
  • 読了時間: 7分

ご無沙汰しております.Nushiです.


栃木へ帰郷し、新しい職場での勤めももう3ヶ月が経過しようとしています.

今回の異動により、ついに英語ディベートを実践する部活動の顧問に就任し、日々、生徒との練習に明け暮れています.

朝出勤して間もなく有志生徒の朝練に顔を出し、放課後はジャッジと解説, 集合人数が少ない日には筆者自身も混ざって試合を行なうなど.

その結果、退勤時刻も20時を超すこともしばしば.職員室の鍵を毎晩閉めて帰宅するのも慣れてきた次第であります.


新学期が開始してから、栃木県では4月末・5月末に県としての講習会が開かれ、そして6月には春季大会に参加してきました.筆者自身も生徒引率並びに運営の一員として携わってきました.

4月末の講習会では、午前中は主に新1年生向けのスピーチ練習やPDA形式でのディベート実戦, 午後は経験者によるPDA, Asian2部門に分かれての練習試合でした.

5月末の講習会では、1日かけてPDA, Asian2部門に分かれての練習試合を行いました.


なお栃木県では昨年度冬季シーズンより、試合結果を大会本部に伝達する手段としてtabbycatと呼ばれる媒体を使用することとなりました.これは、大学生ディベーターであれば普段大会などでよく使われている媒体ですが、高校ディベート界の中ではおそらく初めての試みであると思われます.従来、試合結果の集計には対面式大会ならば紙媒体のスコアシートを, 昨今のオンライン大会等ではGoogle Formなどを用いた方法が主に使用されています.


一方、tabbycatはチーム・選手・ジャッジなどの情報をそのアプリケーション内に登録することにより自動で対戦表を作成し、各ジャッジが自身のスマホ, 通信端末でスコア入力して送信することができます(PDA全国大会や世界交流大会で用いられているアプリケーションと似ております).tabbycat導入によって、これまで紙媒体で確認しExcelに打ち込んで対戦表を作成したりチーム順位を算出したりしていた時間や労力が大幅に削減し、大会進行をより円滑化することが可能となります.


そして筆者は、昨年度の冬季講習会からこのtabbycatを操作する人員として運営側に携わりながら操作方法を学び、4月・5月の講習会において単独での本格実践を果たしました.

4月末の講習会では操作した際は、その仕組みを十分に理解できていなかったため、担当したPDA部門の操作では当初予定していた3試合目ができず、2試合で終わってしまいました.試合結果の確認作業と対戦表作成の作業で焦ってしまった結果、PDA部門に参加していた生徒並びに教員ジャッジの方に長い待機時間を生んでしまいました.その反省を生かし、そして4月の操作経験も相まって技術力は向上し、5月末の講習会では1日に5試合実施する予定をスケジュール通りにこなすことができました.


そして、6月の春季大会当日もPDA部門のtabbycat操作人員として携わり、予定されていた5試合全てをほぼ時間通りに進めることができました.今後も操作側に回って大会や講習会の運営に携わる機会が多くなることが予想されるため、その一方でジャッジとして参加することは当面できなくなり少し寂しい気持ちもあります….


そして6月の春季大会についてです.

昨年度は感染リスクの点から中止になったため、2年ぶりの開催となります.

Asian部門に28チーム, PDA部門に20チーム, 合計48チームが全県より参加しました.

大会自体は感染予防策を講じながらの対面形式で行い、Zoomを用いて遠方から大学生OBOGや社会人がジャッジとして協力していただきました.


大会で使用された論題や結果等は、栃木県高文連英語部会のHPに掲載されているで、こちらでの掲載は割愛させていただきます.




(以上までが6/26までに原稿化した文章です。以下より、8/12に原稿化した文章となります。)




本大会を通じて、筆者自身、tabbycat運用の有効性を大いに感じました。従来の紙媒体での結果集計及びExcelへのデータ打ち込み作業がなくなった分、すぐに勝敗の結果が集計できその後の試合や大会結果の算出が容易となりました。また、ジャッジを担当された先生方の多くがこれまでの講習会の中で実際に自身のスマホから結果送信の経験を積んできたことも相まって非常に大会進行が非常にスムーズにできたとも考えられます。


その一方で、ジャッジが結果入力する際に注意しなければならない点も今回いくつか判明しました。一つ例に挙げると、2人チームで登録されている試合では、PDAなら1st/3rd, Asianでは1st/3rd Speakerのいずれか低い方の点数を隠すチェックをつけなければならないのですが、当日朝のブリーフィングにて伝達する(そもそもその当時は分からなかった)ことができず、全試合終了後の個人得点のランキングを正確に算出することができませんでした。個人得点のランキング修正は後日行い、Asian部門にて新たに10位以内の入賞者を追加発表した次第であります。


tabbycat運用にあたっての細かい注意点が大会を通じて判明したため、次回運用されるであろう冬季講習会並びに冬季大会では改めて注意点をまとめた資料を作成し、全ジャッジに共有できる体制を整える予定です。


また、一昨年まで導入されていたTCL部門が消滅した結果、PDA部門に参加するチームの実力差が大きく開いてしまったと考えられます。というのも、今年度ディベートを始めた1年生とディベート経験が1年以上ある2年生が同じ土俵の中で戦っているため、明らかに実力差があるかと思われます。

加えて、筆者が休憩時にPDA部門の試合を見学したところ、今回上位入賞されたチームはAsian部門に参戦しても十分に戦えるのではないかと感じました。


しかし、PDA部門からAsian部門に以降するにあたっては、

・スピーチ時間が3分→5分に延長

・Whip Speechが追加

この二つの要因によって生徒からすれば非常に敷居の高いものに感じられてしまうでしょう。


筆者としてはそれを乗り越えてでもAsian部門に出場して欲しいですが、最善(妥協)策としては以前(筆者が現役時代)の経験者部門で採用されていたNA(North American)形式の短縮版を中級者部門に設定するのが良いのではと考えました。


NA形式短縮版の特徴としては、以下のの2点でしょう。

・スピーチ時間が3分→5分に延長(Replyは2分→3分)

・Whipがない

・POIが1st/2ndのスピーチ開始30秒後〜4分30秒まで


捉え方を変えれば、元のPDA形式にスピーチ時間が伸ばした形となるため、現時点でPDA部門に出場する2年生でも比較的敷居は低いのではないかと思われます。


理想としては、

1年生:PDA(初心者)部門に出場(春・冬) *挑戦の意欲があれば冬はNA部門へ

→2年生:NA(中級者)部門に出場(春・冬) *挑戦の意欲があれば冬はAsian部門へ

→3年生:PDA部門の生徒ジャッジ(春・冬) or Asian(上級者)部門に出場(春)


という流れで栃木県大会に出場するのがベストだと考えます。

また、一部のチャレンジャー精神旺盛な生徒であれば、1年時よりNA部門あるいはAsian部門に出場し、2年次以降はAsian部門に連続出場も良さそうです。


仮にこの体制で大会運営しようとすると、今度は運営の負担すなわちtabbycatの運用する部門をさらに一つ加えることとなります。

ということはつまり、筆者の負担が重くなる(苦笑)ということです。


現状、2部門制であるため1部門につきtabbycat運用者は1人つけて行なっています。3部門制にするとすれば、単純に3人を要して運用するのが筋となります。しかし、今大会ではAsian部門の出場チーム数が最多であったこと, PDA:NA両部門に出場すると見込まれる人員はPDA部門に集約されていたことからPDA・NA両部門それぞれの出場チーム数はAsian部門よりも少ないため、2部門をワンオペすることは可能でしょう。将来的に出場チーム数が増加する場合は、1部門1人は必須となります。


ジャッジの配置に関しては、PDA・NA両部門に同一ジャッジを登録させ、ラウンドによってPDA部門を担当する, NA部門を担当するという形が良いでしょう。この形式は先日(8/6,7)のPDA夏合宿大会でも採用されていました(筆者自身も予選ラウンドは課外初心者→一般→一般のジャッジでした)。


しかし問題点を挙げるならば、試合時間の差ゆえに休憩や試合時間がズレてしまい、特にジャッジの休憩・昼食・移動時間の確保が難しくなりそうです。

2部門の進行を合わせて実施するとすれば、現状のPDA部門5試合の実施は難しく、多くても4試合までとなるでしょう。


以上が筆者の考えた提案と課題事項になります。

残念ながら、筆者は地元・栃木に戻ってからまだ4ヶ月半かつ県高文連英語部会の一員ではありません。そのため、未だ直接これらの提案を示す機会を持てておりません。ですが、上記提案については大会・講習会にて一部の先生方にはお伝えしており、その場で意見交換をしています。今後機会があれば直接進言し、検討事項として扱っていただきたいと考えています。

 
 
 

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