top of page

iPadジャッジフローについて感想

  • 執筆者の写真: Nushi
    Nushi
  • 2020年11月28日
  • 読了時間: 10分


今年度の栃木県大会・HEnDA合同予選会では、合計7試合をiPadでフローをとってみました。

その感想や意見などについて筆者なりにまとめたいと思います。


  1. 使用している機器について

  2. iPadを購入するに至った経緯について

  3. iPadでフローを取ろうと思い至った経緯について

  4. iPadでフローを取ってみての感想

  5. その他雑感


1. 使用している機器について

端末本体...iPad Pro 2020 12.9インチ(容量128GB, スペースグレイ)10/27に購入

アクセサリ類

・Apple Pencil(第二世代)

・ペーパーライクフィルム...JPフィルター専門製造所 iPad Pro 12.9 2018-2020年モデル用

・スマートフォリオケース...ESR iPad Pro 12.9ケース(ローズゴールド)

・使用アプリ...GoodNotes5

・フローシート...埼玉県いなほカップHP掲載のフローシート(コチラから)

・Magic Keyboard...ジャッジングではほとんど使いませんが、今回含め直近3本の記事の執筆ではアクセサリとして使用しております。また、普段外出の際もノートPCを持ち歩く代わりにタブレット本体とセットで携帯しております。


2. iPadを購入するに至った経緯について

以前よりiPad(Pro 9.7インチ, 32GB, ローズゴールド, 2016年購入)を所持しておりました。当初はYouTubeなどの動画視聴や大学講義のノート使用, 記事検索が主な用途でした。現在でもその辺りは基本的に変わりません。


先代の機能面については特に問題はありませんでしたが、購入してから約4年が経過しようとしていたので、最新機種と比べると端末の処理速度は少々遅く、またメモリ容量も上限ギリギリになっており、容量の大きな機種に買い換えようと昨年末からぼんやりと考えておりました。

そして今年に入り、非常勤講師として関東地方に戻ることとなり、副職・兼業としてiPadを使う機会が増加しました。毎日2〜3時間はiPadを使っての作業を行うことになり、不要な保存データを削除して空きを作っていた容量も底をつき、より一層買い替えを真剣に考えるに至りました。


11インチのiPad Proをはじめ検討していましたが、9月中旬にAppleから新iPad Airの発売情報が発信され、多目的な面でProに引けを取らない性能を持つということで非常に魅力的になりました(今でも欲しいと思っています)。しかし、価格帯的には安く落ち着くもの、上述した副職・兼業での作業ではペンシルを使った書き込みが非常に多いことから、より大きな画面を使った方が作業効率が良いのではと思うようになっていきました。また、iPad Air4の容量選択も64GBと256GBの2種類のみであり、64GBでは心もとない, 256GBは多すぎる、という問題もありました。中間容量である128GBが選択できるのがProシリーズであるため、これまでの検討していた予算をオーバーしてしまったものの、大画面で作業効率の良い(そして動画視聴などもより楽しめる)12.9インチサイズのPro(128GB)を購入することを決意しました。


しかし、購入を決意した時期がiPhone12, 12Proの発売日近くであったため、Apple Storeのショッピング予約がなかなか取れず、約1週間ほど遅れての購入となりました(それだけでなく私と似たように、同日発売のiPad Air4とProの購入検討を悩んでいた人々も数多くいて、Proの在庫状況もどの店舗もかなり厳しかったです。スペースグレイが人気で入荷待ち, シルバーがかろうじて在庫少数という状況でした)。


また、純正アクセサリも一緒にまとめて購入しました。Apple Storeで購入した理由としては、教職員割引が適用されるからです。本体・保証・ペンシル・キーボードそれぞれで割引が適用され、定価や家電量販店等の割引価格で購入するよりも幾分やすくなります。この割引は大学生・教職員であればそれを証明するものさえ店員に提示すればその場で割引が受けられますのでご参考になれば幸いです。


※割引の詳しい条件等はAppleのHPを確認してください。

※Appleのオンラインストアでも割引価格で購入は可能ですが、書類手続きやショッピングローンの審査て続き等で手間がかかる恐れがあったので、筆者は店舗購入を選びました。


これにて新しいiPadを手に入れたわけですが、では先代のiPadはどうしたか。こちらは後輩の大学院生にアクセサリごと譲りました。彼は論文を読むのに使うと話していましたが、先日の合同予選会でも一緒にジャッジとして携わり、その時に筆者が譲ったiPadをジャッジングで使用していたとのことです(フローをそれでとっていたかどうかは不明)。



3. iPadでフローを取ろうと思った経緯について

副業・兼業の効率化を目的に12.9インチサイズのiPadを購入したわけですが、それ以外にも有効な使い方があるなと購入した後に気が付きました。これまでのディベート活動の中では専らノートやコピー用紙といった紙媒体でフローを取ったりスピーチ原稿を作成していたわけですが、長年続けていくとその量が蓄積され、携帯して持ち運ぶには重くなってきていると感じました。実際、筆者自身も高校生の頃は通学に使用していた鞄とリュックそれぞれにエビデンス資料やスピーチ原稿を毎日のように詰めて学校と自宅を往復していました。学校教材とともに総重量が約10キロもあり、結果、リュックは2度買い替え、鞄に至っては中の仕切りがボロボロに壊れる始末です。話は逸れてしまいましたが、要は紙媒体で記録していくと持ち運びに負担がかかってくることを経験したので、なるべく荷物の少なくして身動きの取りやすい環境を整備しようと思った次第であります。


購入してすぐ、GoodNotes5にフローシートを取り込んで試しに書き込んでみたところ、ほとんど問題なく使えると感じました。

そして、購入したその1週間後には栃木県大会へのジャッジ参加が予定されていましたので、試験運用も兼ねて全試合iPadでのジャッジフローを行いました。



4. iPadでフローを取ってみての感想

すでにTwitterの方にも感想を載せていますが、こちらにも改めて感想を上げさせていただきます。

<良かった点>

・携帯性が非常に良い。

→オフライン大会の性質上、試合会場への移動が各試合ごとに行われますのでディベーターもジャッジも自分自身の荷物を持って移動しなくてはなりません。移動の際に持ち運ぶ荷物が少なくそしてかさばらず、すぐに試合会場に移動できました。なお、全国大会等であれば、試合会場の案内図などを事前に写真やデータとして取り込んでおけば冊子を持ち歩くことなくそのまま移動できるのではないかとも考えられます。

また、オンライン大会であってもB4やA3用紙以上に場所を大きくとらないので、小さな机の上でフローをとることも可能です。筆者は合同予選会の4試合目で急遽カフェチェーンの席でジャッジを行いましたが、隣の席の机まで占有することなくコンパクトにおさまりました。


・フローの拡大・縮小ができる。

→紙媒体であるとすでに大きさが定まってしまっているので、メモをたくさん取るには苦戦してしまいます。しかし、電子データであればジェスチャー操作でフローを拡大し、書き込みをする幅を広げることが可能です。仮にメモ欄から字がはみ出してしまっても、準備時間中にメモした範囲を選択してその部分を拡大・縮小・移動させることができるので問題ありません。また、アタック・ディフェンス・サマリースピーチを聞く際や試合後の内容確認の際に試合全体の流れを俯瞰するにも今度はジェスチャー操作でフローを縮小したり一部分だけを拡大することで、効率よくAD, DAの比較や確認を行うことができます。


・電子データとしてチームに配布することができる。

→これは筆者自身が使用しているアプリの機能の一部ではありますが、試合で取ったフローシートをPDF化ないし画像化して選手に送ることができます。通常、多くのジャッジはフローシート1枚にAff, Negそれぞれのメモを取っていますので、試合後に配布しようとしても両チームに渡すことが困難です。これまでの筆者自身も、Aff, Negそれぞれに分けて合計2枚のフローをとっていました(単純に1枚に両チーム分のメモを取るにはスペースが足りないため)が、試合後にフローを配布しようにも相手側のフローまで渡すことはできませんでしたし、選手が受け取らなかった際は荷物が増えるだけでした。その点、iPadでフローをとることによって、Air Drop機能等を使用すればすぐにデータを送信できますし、自分の手元にもフローデータを保存しておくことが可能なので便利です。



<気になる点>

・ペンの書き心地?

→個人差と慣れが必要になってくるところではありますが、初めてフローを取った際に、フィルムとペン先が接地する面積が普段使っているボールペン以上に大きいので書きにくいと感じました。現在ではだいぶ慣れてたのであまり問題はありません。Apple Pencilの使い心地があまりよくないと感じる人は、ペンの表面に自身の手に馴染むグリップやその他サードパーティーのアクセサリを使用すると多少は改善されるでしょう。


・ペン先チップの消耗が早い。

→ペーパーライクフィルムを装着していることも一因ですが、1試合につき1時間近くは画面に書き込みを行なっているのでペン先の消耗は非常に早いです。この記事を書くまでの間に、2回ほどチップの交換を行いました。チップ自体は純正品アクセサリとして販売されていますが、4個入りで2000円以上もするので、ヘビーに使っていくとすれば、その分お財布事情も少し厳しくなるかもしれません...。純正品以外のものが存在していれば、今後そちらも試してみたいと考えております。


・バッテリーの持ちが心配。

→4試合連続で見るのが限界です。1試合あたりで約20%ほどのバッテリーを消耗します。最新のAir4や無印版iPadであれば、Proよりはバッテリー消耗が抑えられて設計されていますので、連続5〜6試合は使用できると思われます。しかし、筆者が使用している12.9インチの画面サイズではバッテリー残量が心許ないので途中で充電せざるを得ません(栃木県大会では4試合目終了後〜代表第3枠目決定戦開始までの間に充電を行いました)。iPad等タブレット端末でフローをとる際は予備のモバイルバッテリーを持ち歩く、または充電するためのケーブルとACアダプタの携帯が必須です(施設のコンセントを使用する際は施設管理者の許可が必要な場合があるので注意)。


・メモするときのカバーの安定性が心配。

→スマートカバーを三角に折り、角度をつけることで書き込みをやりやすくしています。しかし、カバーの関節部分が柔らかく作られていることもあり、少し重さをかけることによってタブレット自体も少し沈んでしまいます。そのため、カバーを折りたたまずフラットに置くことで紙媒体と同様、机と同じ角度での書き込みを行なっております。しかし、紙と異なってタブレット+カバーの分厚みが生じてタブレットと机の段差でメモが書き込みにくくなる場面も幾度かありました。加えて、背中を丸くして書かなくてはいけないので徐々に腰が痛みます。

身体(特に背中や腰)に無理のない姿勢でフローを書き込むには、PC/タブレットスタンドをを使用するのも良いかもしれません。大会が終了した後、Amazonでタブレットスタンドを購入しましたので、次回はそれも使いながら挑戦しようと考えております。



5.その他雑感

学生時代を振り返ると、ジャッジの中にはパソコンでフローを入力する人もいました。今回の筆者の場合は、画面に書き込む方法をとっていましたが、タイピングの方が早くメモできる人は、Magic Keyboardやサードパーティー製のキーボードをBluetooth接続してタイプ入力することも可能であると思います。パソコンとタブレットを比較すると、パソコンはタブレットよりも機能面においては上回り、一方でタブレットは起動の早さや持ち運び, 手軽さでパソコンを上回るのではないかと考えられます。

また、今後は資源の節約がより一層叫ばれる時代になりそうなので、ディベートにおいても極力資源を無駄にしない取り組みが求められるでしょう。特に、アカデミックディベートではエビデンスの保存がずっと紙媒体ですし、年度が変われば1年間かけて収集したその紙の山は資源ごみ行きになるのがどの学校も通例だと思われます...。今年度の全国大会はオンライン開催であるため、エビデンスの共有はオンライン上という今までにない新たな取り組みとなっており、例年と比べればエビデンスの印刷量は少なくなっているはずです。加えて、 ICT活用もこれまでのディベート活動と比較すると格段に多く取り入れられています。この先再びオフライン開催に戻ったとしても、再び紙資源が大量に消費される以前の状態に戻ってしまうかもしれません。資源を節約するため、そして パソコンやタブレットといった ICT機器を有効活用するためにも、例えば各チームエビデンス共有用のiPadを所有し相手チームからエビデンスの請求を受けたらAir Dropで共有する、などといった試みができるのはどうでしょうか?他にも新たなアイディアがあれば是非共有していただけると幸いです。


ディベートと ICTの活用が今後さらに発展できると良いですね。

以上、長々となりましたが今回の記事はここで終わらせていただきます。

ありがとうございました。








 
 
 

最新記事

すべて表示
令和3年度7〜11月振り返り

ご無沙汰しております.Nushiです. 6月の栃木県春季大会以降、「首都機能移転」論題による準備型シーズンが到来し、先週実施された栃木県大会及び合同予選大会のジャッジを以てひと段落着きました. 筆者自身及び勤務校の活動を振り返っていきますと、以下の通りになります. <7月>...

 
 
 
令和3年度4〜6月振り返りなど

ご無沙汰しております.Nushiです. 栃木へ帰郷し、新しい職場での勤めももう3ヶ月が経過しようとしています. 今回の異動により、ついに英語ディベートを実践する部活動の顧問に就任し、日々、生徒との練習に明け暮れています....

 
 
 
PDAオンライン夏合宿大会(8/6,7)振り返り

Nishiです。 8月6日・7日に勤務校から、PDAオンライン夏合宿大会に参加してきました。 勤務校からは授業部門に2チーム, 課外部門の初心者・一般に各1チーム, 合計4チームと筆者含めた教員2人がジャッジとして出場しました。...

 
 
 

Comments


bottom of page