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Tokai High School Debate Open(7/15)

  • 執筆者の写真: Nushi
    Nushi
  • 2019年7月28日
  • 読了時間: 4分

7月15日(月)、愛知県立千種高校にてTokai High School Debate Openが開催されました。


この大会は、新興の高校生団体である「全日本高校生ディベーターズ東海支部」が運営し、会場である千種高校討論部英語班顧問の先生やその他東海地区内のディベート教員方の協力により実施されました。

参加校は愛知県・岐阜県から集まり、中には初めて英語ディベートの大会に出場する学校や生徒さんも多くいました。


この大会の特徴としては、運営を千種生が仕切り、大会ジャッジも高校生によって行われるという点です。活動歴1年以上ある千種高校や旭丘高校, 南山高校女子部の1・2年生がジャッジとして予選3試合, 決勝1試合を全て担当しています。なお、当人たちもジャッジとしての経験は浅いため、筆者を含めた数名の教員がジャッジの生徒をサポート(勝敗判定へのヒントやジャッジコメント後のフィードバックなど)しながら行いました。


当日扱われた論題は以下の通りです。


Round 1 :This House, as high schoolers, believes that romance is better than club activities.

(高校生として、恋愛は部活動よりも良い。)

Round 2 :This House Would ban teen pop idols. e.g. ジャニーズJr, OSU

(本議会は、10代のポップアイドルを禁止する。)

Round 3:This House Believes That SNS(LINE, Twitter, Facebook) does more harm than good to high school students.

(ソーシャル・ネットワーキング・サービスは、高校生にとって益よりも害をもたらす。)

Grand Final :This House Would ban alcohol.

(本議会は、酒類を禁止する。)


予選3試合を経て、決勝戦に駒を進めたのは岡崎Aと旭丘Bの2チームです。

決勝戦はレベルの高い接戦となり、4-1で旭丘Bが優勝となりました。

また、個人賞部門では岐阜Aの生徒が1位入賞し、岐阜Aも総合成績でも第3位を受賞しました。


東海地区は以前より学校間の垣根を超えた英語ディベートの交流が比較的盛んな地域でした。おおよそ毎月開催される岐阜聖徳での講習会には県内以外からも愛知・三重, そして滋賀県から参加しています。また、名古屋市内開催の練習会も、県内だけでなく岐阜や三重からも参加者を募っています。ただそのイベントに出るだけでなく、参加した生徒同士も深い交流を続けており、LINEグループを作成してディベートの情報や資料を共有したり、混合チームを結成して長良川カップやJWSDCなどの大会に出場したりしています。各校の先輩が代々このような交流を継続し後輩に託していった結果、地区内で生徒主体で活動するという団体「全日本高校生ディベーターズ東海支部」が結成され、今大会が開催されたという流れになります。


即興型の英語ディベートは近年全国へ普及されてきたものの、表面積だけが広くなっただけであり密度が大きくなったわけではありません。近隣の学校も一緒にディベートを始め、今回のような地域密着の練習会や大会を通して交流し、ともに切磋琢磨していくことが本来目指されるディベート活動やその普及であると考えます。「近くでディベートをしている学校がないから~」等と理由に遠方の学校とばかりSkypeなど音声通話で対処してしまっては、いつまでたってもその地域でのディベートの普及は望めないでしょう。


一方、今大会は「生徒が主体で運営する」とのことですが、「生徒が『全て』運営する」ことには限界があると感じました。今大会を開催するにあたっては会場を確保しなくてはいけないため、千種高校顧問の先生の協力がなくてはなりません。他にも、納得のいくジャッジングを生徒だけでできるのか、開催するための大会諸経費の算出や参加費の決定や徴収(今回は無料でした)など金銭面も全て生徒が管理すること、仮に不祥事が発生した際に誰が責任を負うか等、やはり大人側の支えなしでは開催は困難です(一部、「運営は全て生徒たち」だと発信している方がいましたが、実際には多くの大人が関与していましたので情報を鵜呑みにしてはいけません。)。


生徒の自主性を伸ばす貴重な経験になることは同意できますが、生徒単独でイベントを開催するには幾分リスクがあります。教員側も、生徒を放ったらかしにせず協力できる・しなければいけない部分には補助に回り、無事に開催できることが望まれます。


今回は初の試みだったこともあるので、これから徐々に運営体制や「生徒による運営」が向上していくことを願います。また、今回初めて英語ディベートに触れた生徒が、今後もディベート活動を継続し、交流を続けていってほしいなと思います。



【余談】栃木県では、各シーズンの大会(春季・D-1・冬季)において試合に出ない生徒がヘルパーとして運営に携わっています。仕事としては、試合部屋への誘導, スコアシートの確認・本部への提出など。また、赤煉瓦杯と呼ばれる宇高生徒が主体で開催する練習大会があります。筆者が卒業した後に始まったものであるため、こちらで詳細を語ることはできません。当校の現役の生徒やOBの先輩方にコンタクトを取り、運営方法や開催に向けた校内での手続きなどを伝授してもらうと良いかもしれません。

 
 
 

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