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全国中学生大会(9/22)

  • 執筆者の写真: Nushi
    Nushi
  • 2019年11月23日
  • 読了時間: 4分

9月22日(日)に中京大学八事キャンパスにて「第9回全国中学生英語ディベート大会」が開催されました。


筆者は今回で3年連続3回目のジャッジ参加です。初めてジャッジ参加した2017年の全国大会では、台風の接近もあって決勝戦なしの短縮運営で行われ、台風から逃げる形で新幹線で帰ったのを覚えています。


近年の中学生全国大会では、予選4試合中お昼を挟んだ後の3試合目は当日発表の即興論題で実施され、事前発表論題への対策だけでなく即興力も重視されてきています。

今年度の事前発表論題および即興論題は以下の通りになります。


事前発表論題:Japanese elementary, junior high, and high schools should withdraw from school club activities.「日本のすべての初等中等教育の生徒および児童の学校でのクラブ活動を廃止する。」

即興論題:Japanese elementary, junior high, and high schools in Japan should be co-educational.「日本のすべての初等中等教育の生徒および児童の学校は共学とする。」


今年は、全国より21校22チームが参戦しました。

高校生の全国大会同様にジャッジは二人制で行われ、予選は4試合となります。そして最後は、予選成績上位2チームによる決勝戦が行われました。筆者も、今回の決勝戦ジャッジ5人のうちの一人として努めさせていただきました。


決勝戦に駒を進めたのは予選1位の渋谷教育学園渋谷, 予選2位の渋谷教育学園幕張Aでした。2チームは予選全試合を4勝でした。なお、予選3位の江戸川学園取手, 予選4位の静岡県立浜松西も同じく4勝でした。対戦校の勝ち数合計点とコミュニケーションポイント合計点の差によって決勝戦へ進出できなかったものの、上位の成績をおさめました。


決勝戦は接戦となり、3-2splitでAffに立った渋谷教育学園渋谷の優勝で幕を閉じました。

今回の全国大会で感じたの以下の通りです。


・帰国生優位になりつつある

帰国生を差別しているわけではありませんが、実際、多くの中学生は英語に触れてまだ年数が浅いため、海外生活などで長期間使用してきた生徒と比較するとどうしても不利になりがちです。高校生のレベルになれば、英語力・論理力ともに成長し、海外経験のない生徒が帰国生に勝利する場面は多くあります。今回決勝戦に駒を進めた2校は、今大会参加者の中でもかなり英語運用能力に秀でており、一般的な公立中学生の域を超えているように伺えました。チーム構成の条件も帰国生に関する特記事項はないため、全員帰国生で構成することも可能でしょう。そうなる・ならずとも、一部の中高一貫校を除き、公立中学校からの大会新規参加はあまり望めないように考えられます。


・競技規則の見落とし, 不遵守

今大会の競技規則はHEnDAの競技規則に準じて執り行われています。スピーチ時間の変更等はありますが、議論の数・構成やマナーなど全般的なものは全て高校生大会と同一です。しかし一部のチームに関してはその部分を見落としており、独自のルール設定・解釈や大学生ディベートのルールを模倣している部分がありました。例えば、否定側が肯定側の提示したプランを支持せず新たに独自のプランを提示して議論を展開する、などです。そうなってくると、この競技規則で準備・練習してきた学校・生徒は十分に対応する事ができず、同じ土俵での試合実施が非常に困難となってしまいます。競技規則以上の、あるいは大学生ディベートに近いものをできる能力を持っていることは大変素晴らしいことではありますが、生徒・指導者ともに大会ルール・規則を事前にしっかりと確認し、公正・平等な試合を実施しましょう。


・高校ディベートの良くない側面が出てきている

特に高校の方でHEnDA形式のディベートをやっている中高一貫校で目立ちました。高速・淡々と読み上げる立論, Unclear, They didn’t prove[show]〜としか言わないアタック, ディフェンスなど、前回の記事で指摘したような技法が中学生ディベートに浸透しつつあるように感じます。そこまでして勝ちたいのか、あるいはディベートを通して何を学ぼうとしているのかが筆者自身の中では理解できません。また、中学生に限らず高校生においても、相手[対戦チーム, ジャッジ]を思いやったスピーチ, 相手議論[反論]を反証する反論[ディフェンス]などを念頭においてディベート活動をしてほしく思いました。そのためにも、今後のディベート指導では筆者自身十分気をつけていきたいです。

 
 
 

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