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岐阜県講習会(9/16)

  • 執筆者の写真: Nushi
    Nushi
  • 2019年10月6日
  • 読了時間: 6分

9月16日の祝日に、岐阜聖徳学園高校にて講習会が開催されました。

筆者も、7月以来2ヶ月ぶりの運営・ジャッジとしての参加になります。先月8月の講習会では勤務校の都合により、前日準備のみ関わりました。


来たる翌週末には福井でのMake Friends Cupが予定されており、そのためか今回の参加校は近隣県に加え福井・岡山・関西方面からも集まり、総勢16チームでの4試合の練習試合を実施しました。


筆者も今回4試合のジャッジを担当させていただきました。全試合とも勝敗は言わず、ディベート中の振る舞い方や各スピーカーへの個人フィードバックに重きを置いてコメント・フィードバックさせていただきました。


10月14日(月祝)には東海ブロック大会, そして10月後半からは各地で県大会が開催されるので、残り1ヶ月、各校全力を尽くしてほしいなと思います。



全体的な(気持ちの良い)振り返りは以上となります。

これより先も文章は続きますが内容は非常に個人的かつ辛辣なものになっていますので、読み進める際は自己責任でお願いします。








さて、今回の講習会を通して感じたことは以下の5点です。

かなりキツイ言葉を使っていますが、実際その場で私自身が感じたことほとんどそのままです。

これ以上読みたくない人はすぐにでもブラウザを閉じるなどしてください。

もっと上達したい, 当日私自身が何を考え・感じたのかを強い心を持って読める方だけ下に続いてください。























では続けさせていただきます。


①立論内容が複雑化・理解し難くなっている

これは特に上級生・ディベートに慣れてきた生徒の多いラウンドで目立ちました。サインポスト(一番初めに読む「AD/DA1(2), ~」)とそれから続く説明内容の関連性が掴めない議論, EvidenceとEvidenceをつなぎ合わせてその立論の核となる論理構成が見えない(あるいないに等しい)議論や150 words/minの制限を逸脱した高速でのスピーチなど、ジャッジとしてメモを取っていく中でも非常に判断・理解し難いものに感じました。

よりシンプルに、一度聞いただけでも理解できるような立論づくりを意識できていないと思われます。


②Question Timeでの会話のやり取りが少ない

これも上と同じく、初心者よりも経験者・この型式のディベートに慣れてきた生徒のラウンドで目立ちます。質問する側(Summary, Defense)が聞いた内容に対して質問の受け手側(Const, Attack)がその内容を無視して立論の一部を再度繰り返し、求められる答えに十分なっていない返答が多くありました。加えて、よりピンポイントな返答をするためにConst/AttackがSummary/Attackへその質問の内容や意図を尋ねる場面もほとんどありませんでした。そのため、議論は試合の中で提示されたものの、それぞれが十分深まることなく最後まで疑問点も多分に含みジャッジの判断に丸投げするような試合で終わってしまいました。


③ジャッジ・オーディエンスの反応を確認していない

ディベートは第三者であるジャッジを説得させることで勝敗を決まる競技です。そのため、ジャッジが今何を考えているのか・どのような議論・試合展開を望んでいるのかを予測した上で試合に臨むことが求められます。この点に関しては即興型・準備型問わず共通していると私自身考えます。

そして今回の練習会でどのように感じたかと言いますと、ディベーター側がジャッジを意識して試合に臨んでいるように感じる場面はあまりありませんでした。むしろ「自分たちが用意してきた原稿・エビデンスを以下に早く読み終えられるか」に終始駆り立てられているようでした(①で指摘した高速スピーチとも重なります)。Question Timeもそうです。終始、相手サイドのスピーカーをずっと見ており、正面を見ることがほとんどありませんでした。Question Timeもジャッジはディベーターが話している内容を聞いて議論を整理するためその場に同席しているものの、まるでジャッジは存在しないかのような対応を目の前で繰り広げられていることから退席したくなる場面が多々ありました。一体、ディベーターは誰を説得しようとしているのでしょうか?各々改めて考えるべきでしょう。


④Unclear Attackが非常に多い

「エビデンスがない、故にUnclear」「プロセスがない、故にUnclear」などといった稚拙な反論が多いです。相手の立論をきちんと聞いていないのでしょうか?あるいはそういう戦略なのでしょうか?少なくとも、Unclearは反論とは言えません。私が高校2年生(2013年)の時よりUnclearを用いた反論(もどき)が増えてきましたが、結局相手にその部分への説明責任を押し付けているだけであり、相手のAdvantage/Disadvantageが「起こらない(not true)」「重要でない(not important)」であると“反証”(逆のことが成り立つと理由や順序立てて説明する)しているわけではありません。なぜ起こらないのか・重要ではないのかをきちんと理由を添えて説明することができていないスピーカーが多くて残念でした。中にはUnclear Attackの数が全体の3分の2を占める人もいました。相手の立論が個別具体的に予想できなくても、そのAD/DAのサインポスト(ラベル)に対して「(それは)起こらない」「重要ではない」と反証できるアタックポイントを用意しましょう。それが一番強い反論になるはずです。

なお試合中に安易なUnclear Attackが出された場合、これまで通り私は一切ジャッジングで評価はいたしません。


⑤試合終了後の個人フィードバックを受けに来ない

昨年の全国大会予選ラウンドのジャッジでも同じような経験をしましたが、試合終了後に個人フィードバックを得にくる人がほとんどいません。全体フィードバックでも一応の説明をしていますが、ジャッジ自身、各スピーカーに向けて言いたいことは実はもっとたくさんあります(だからこうしてここに長々と書いているわけでもあります)。よかった点・よくなかった点・どうしたら改善できるかをこと細かく聞くことによって、より次の試合での自身のスピーチに生かすことができます。聞かなかったらそれ以上の成長はあまり見込めません。また、個人フィードバックを毎回もらいに行くディベーターは、準備型・即興型問わずその後ぐんぐん成長しています。より上達したいと考えるのであれば、全体フィードバック後も積極的にジャッジの元へ行き個人フィードバックを受けましょう。



以上の5点となります。個人的・主観的な内容になってしまい申し訳思っております。

しかしその一方で、私自身のこれまでディベート経験と重ね合わせて考えても、昨今のこうした高校英語ディベートの状況は非常にまずいと感じています。そのため、あえてこの場で声をあげさせていただきました。


私自身の力でこれらの問題を解消することは到底できません。改善するかどうかは各校のディベーター, 各校の指導者にかかっています。私ごときがお願いできる立場ではありませんが、これからの英語ディベートの発展や生徒一人一人の成長のためにも協力していただきたいと願っております。


またこれらの指摘に対し、講習会指導中に他の先生を通して私に苦言を呈する指導者がいました。講習会中に私が発した言葉に角が尖った表現のものもありました。そこは私自身も反省しております。しかし、それらは全て現在ディベートをしている生徒たちに改善してほしい内容でもあり、決して生徒の人間としての尊厳を否定するようなものではありません。それを考慮していただきたいです。その上で、私への苦情がありましたら直接私まで申し付けてください。よろしくお願いします。

 
 
 

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