飛鳥杯〜夏の陣〜2019(7/14)
- Nushi
- 2019年7月20日
- 読了時間: 4分
7月14日(日)に、東京都立千早高等学校で飛鳥杯~夏の陣~が開催されました。
大学を卒業して、約3ヶ月半ぶりに東京へ向かいました。大会前日に東京に向けて出発し、到着後は大学キャンパスや秋葉原・池袋などを散策し、学生時代の懐かしさを思い出しつつ東京観光を満喫してきました。

飛鳥杯は主催者の勤務校を会場にしている関係で、昨年までは都立小平高校, それより以前は大会名でもある都立飛鳥高校で開催されてきました。
筆者自身は大学1年生の頃から母校の帯同ジャッジで毎年参加しており、今回で夏・冬合わせて6回目の参加になります。HEnDA論題で実施する大会としては、この時期の中でも大きなものとなります。「大会」と名付けられているものの、遠方から集っての練習会という位置付けがふさわしいでしょう。東京都内の他、近隣の千葉県, 埼玉県, 茨城県, 栃木県から参加しています。以前は神奈川県や長野県からも参加はありましたが、冬の陣の開催になればもう少し増えるでしょう。
今年度のHEnDA論題は「Resolved: That the Japanese government should limit the weekly maximum average working hours, including overtime, to 48 hours (following the E.U.). 日本国は,残業も含めた週あたりの最長平均労働時間を,(E.U.にならい)48時間に制限すべきである。是か非か。」です。
3月30日に南山女子部を会場に実施された春大会の見学以降はこの論題に全く触れておらず、ジャッジも今回初だったため良い勉強の機会となりました。
今回、筆者は小平高校の帯同ジャッジとして参加しました。
ジャッジした試合及び結果は、以下の通りです。
Round N :Affirmative vs Negative →Vote
Round 1:竹園A vs 松戸国際A →竹園A(Aff)
Round 2:千早A vs 小平B →小平B(Neg)
Round 3 :小平A vs 大宮A →小平A(Aff)
Round 4 :稲毛C vs 竹園B →稲毛C(Aff)
やはり多くのチームでは肯定側で「労働者負担の軽減」を, 否定側で「持ち帰り(無賃)残業の発生」といった議論が出されていました。ですが立論の中身を聞いた感じ、どのチームもそれぞれの内容を補う理由づけや証拠資料の引用が不十分に感じました。上述した2つの立論に対して述べると、「なぜ現状の制度や改革では労働者の負担軽減に効果が出ないのか」「なぜ『持ち帰り」しなくてはいけないのか(翌日分に回すことができないのか)」などといった疑問点が毎試合浮かんできました。結果、どの試合も勝敗を決めるに非常に悩ましく僅差なものばかりでした。
また、Attack・Defense間のやり取りが食い違う展開も多く見られ、ジャッジしている中で困惑する場面もありました。Summaryでも結局どのような価値観(Value)を拾って欲しいのかの明示が十分になされておらず(あるいは全くなく、4つの議論の復習程度に終わる)、これらも勝敗を決めるのを困難にさせた要因でもありました。
HEnDAの試合形式ではQuestion Timeというものが備わっているので、Defense SpeakerはAttack Speakerが繰り出した反論について確認・分析することができます。
Summary Speakerも、立論後のQuestion Timeで相手の立論内容を確認・分析でき、自分のスピーチ順番が来るまでに時間が長くあるので、どのように試合をまとめ・どんな価値観をもとに自チームへのVote(勝ち票)を運ばせるかを考えてみてください。
相手の話に的確に応対し、勝ち道をしっかりと定めて試合を進めることを意識して臨みましょう。
これまでの飛鳥杯でも言えることですが、この大会では同県対決が発生しないことを第一優先*に対戦表が決まります。しかし、同じ学校・チームと複数回対戦する, 同じサイドで連続して試合する, 同一ジャッジが複数の部屋に配置される等のトラブルが生じています。その際は、大会当日になって各校顧問同士の合意のもとで組み合わせ・ジャッジ配置の変更を行なっています。ですが、毎回そのようなアクシデントが続くため、今後は “同県対決アリ”のもとでランダムに対戦カードを作っていくのも1つの手だと考えます。他の参加校顧問も同様に考えており、主催者へもその旨は伝えられています。
*その理由としては、「遠方から参加したにも関わらず同県で当たるのは意味がない, 同県同士で当たると情報が漏洩して県大会で対策されてしまう」とのこと。しかし筆者自身は、情報が漏洩することによってより深い議論が相互に築き上げることができると考えるため、むしろ好ましいと考えています。また、地域によっては県内で全く練習会が実施されないこともあるので、このような場で同じ地域の仲間と対戦することは双方にとっても良い練習・交流の機会になるとも考えます。
即興型ディベートのシーズンも一旦終わり、どの学校も準備型ディベートへの対策が徐々に始まった頃だと思われます。
準備不足・経験不足といったところが現状あるでしょうが、10月・11月のブロック大会・都道府県大会に向けてよりいっそう頑張っていきましょう。
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